【中学受験の疑問】 集団指導塾と個別指導塾の併用は意味があるのか?
〜「塾の掛け持ち」、本当にお子さまのためになっていますか?〜
皆さん、こんにちは。中学受験カウンセラーの野田英夫です。
今回のテーマは、保護者の方々から非常によくいただくご相談です。
【いまは「個の時代」「多様性の時代」】
かつての中学受験は、みんなが同じカリキュラムで、同じペースで学び、総合力を高めることが求められる時代でした。
しかし、今は多様性が重んじられる「個の時代」。
子ども一人ひとりに合った学習スタイルや志望校別の対策が求められる時代です。
ところが、
今も中学受験の学習スタイルは「集団指導塾がスタンダード」という時代錯誤な常識が残っているのが現実。
私はここに強い違和感を持っています。
なぜなら、中学受験の入試問題は学校ごとに全く異なるからです。
にもかかわらず、
すべての学校の対策を網羅しようとする「総合力型カリキュラム」を一律に進めていくのは、非常に非効率であり、今の時代にはそぐわないのです。
【併用よりも「学年ごとの最適な選択」を】
まず私は、総合力をつけること自体には反対していません。
特に小学4年生までは、幅広い分野を学び、基礎学力を養うことはとても大切です。
この段階では、学校と同様に、集団指導塾で総合力を学ぶことも有効な選択肢のひとつと言えるでしょう。
しかし、小学5年生以降は話が別です。
この頃になると、多くのご家庭で志望校が現実的に視野に入ってくるはずです。
そうなれば、
一律のカリキュラムで総合力を求めるよりも、志望校の入試傾向に合わせた学習へ切り替える方が、合格への最短ルートになります。
【併用という選択は本当に効果的か?】
よく「集団塾に通いながら個別塾で補習をする」という併用スタイルを取る方がいます。
しかし、私はこの方法には以下の問題点があると考えています。
- 学習内容が重複し、時間も労力も倍増する
せっかく個別塾に通っても、集団塾で扱った内容の復習や補習ばかりになり、新しい学びや志望校対策の時間が取れない。 - 集団塾のペースに合わせるために、個別で無理な調整学習をすることになり、非効率になる
本来、個別指導は「その子のための最適な学習」を行うものなのに、集団塾の授業についていくための学習に終始してしまい、個別指導の良さが活きない。 - 目の前の塾内の成績やクラス順位に一喜一憂し、本来の志望校対策からズレていく
クラス分けテストの順位ばかり気になり、「塾のための勉強」に陥りやすい。本来目指すべきは志望校合格であることを忘れがちになる。
【費用面の現実も見逃せない】
さらに大きな問題は費用面です。
中学受験の塾代は年々高騰しており、たとえば大手集団塾のS塾やW塾の場合、小6の年間費用は約120〜170万円。
さらに、個別指導塾を併用すれば、プロ講師なら1科目だけでも月額7万円〜10万円弱かかります。
主要科目を依頼すれば、年間数百万円にもなるケースも。
一方で、早慶ゼロワンの場合、小5・6の4科目での月額費用は8万8千円。
年間総額でも約150万円〜160万円
しかも志望校別ワンストップ個別指導なので、集団塾と違い、保護者による日々の勉強のフォローも必要ありません。
併用よりも、最初から志望校対策に特化した環境で、無駄なく効率よく進める方が、費用対効果も高く、精神的な負担も軽減できます。
【まとめ】
結論として、
✔️ 小学4年生までは総合力を養うために、集団指導塾という選択もあり
✔️ 小学5年生以降は志望校に合わせた個別最適化された学習に切り替えるべき
併用は時間も費用も負担が倍増し、効率も悪くなります。
むしろ志望校対策一本化の方が、費用も労力も無駄なく、合格可能性も高められるのです。
「個の時代」「多様性の時代」にふさわしい、中学受験の新しい学び方を、ぜひご家庭でも一度考えてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それではまた!
中学受験カウンセラー 野田英夫でした。