【9割が知らない中学受験の誤解①】

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
中学受験カウンセラー野田英夫です。
 

今回から「9割が知らない中学受験の誤解」と題して、
皆さまが陥りがちな中学受験の誤解を解明していきます。

中学受験の正しい情報を収集することは、
中学受験を成功に導くことを意味します。
子どもにとっても、家族にとっても、
未来につながる幸せな中学受験をしてください。

今回のテーマは、
「親(おや)塾(じゅく)の誤解」について、
これを解明していきましょう。

中学受験において、「親塾」という言葉は一般的になっています。
「親塾」とは、もしかすると「母塾」の方が一般的かもしれませんが、


子どもの勉強を親がフォローすることをいい、
塾でわからなかった授業の補完を親(母や父)がするという意味で使われます。

多くの中学受験集団塾では、
入塾の際や保護者会等でご家庭に勉強のフォローを求めることが常習化されています。


中学受験に関する書籍や雑誌等を読んでも、
「母塾」は、さも当然のことのように書かれていて、
保護者の認識においても「塾のフォローは親がするもの」という刷り込みが常識化しています。

2016年に「下剋上受験」という本がベストセラーとなり、
2017年にはTBSでドラマ化もされました。
中卒の父親と偏差値41の娘が塾にも通わず難関中学を目指すという内容ですが、
受験勉強を父親が家庭で教えるシーンが多く描かれていました。

この「下剋上受験」により、
「親塾」が、ここでは「父塾」ですが、
親が教えることは正しいという考え方が、
完全に市民権を得たという感じとなりました。

また、かつて四谷大塚や早稲田アカデミーなど、
予習シリーズを使用していた塾では、
来週のカリキュラムを保護者に対して授業する「父母教室」なるものを実施していました。
事前に保護者に来週の単元ポイントを授業しておくことにより、
保護者に授業フォローしてもらうことが目的でした。

このように中学受験において「母塾」は日常で、常識と化していきました。


しかし、
常識となった「母塾」ですが、重大な問題を抱えています。

【子どもを怒ってばかり・・・】
親が子どもの勉強を見ていると、どうしても感情が高ぶります。
特に、期待が大きければ大きいほど、
子どもが思うように勉強しないとき、成績が伸び悩むとき、
冷静でいられなくなります。
感情的に怒ることが増えます。
これが母親と子どものストレスとなり、
家庭内の空気も険悪になります。

【自分はダメだ・・・】
「母塾」の最大の弊害の一つは、
子どもの自己肯定感が低下すること。
親から頻繁に怒られたり、厳しくされたりすることで、
子どもは「自分はダメだ」という思い込みを抱きやすくなります。
この自己肯定感の低下は、
将来的な学業成績や社会生活にも悪影響を及ぼす重大な問題です。

【親子関係への悪影響・・・】
「母塾」が原因で、
親子関係が悪化することも少なくありません。
親が塾の役割を果たすことで、
子どもは親を信頼しづらくなり、対話が減り、関係が冷え込むことがあります。
また、親自身もストレスを感じ、家庭全体の雰囲気が悪くなります。
こうした状況は、子どもが成長した後も長期間にわたって影響を及ぼします。


「母塾」は百害あって一利なし

「我慢の中学受験」という言葉をよく聞きます。

受験だからある程度の我慢も必要かもしれませんが、
家族関係を壊すほどの我慢はよくありません。

その要因が「母塾」であれば、
即刻やめるべきです。

「母塾」に一生懸命になっている姿を見兼ねて、
父親から相談を受ける(この逆のパターンで母親から相談を受ける)ケースも増えてきました。

「傍から見ていると“狂気”なんです・・・」

それだけ中学受験というのは親を“盲目”にしてしまう中毒性があります。


では、最後に私からアドバイスを。

家族みんなにこの質問をしてみてください。

「どうして中学受験を始めたんだっけ?」

きっと多くの家族が「子どもの将来のため」を想って、
中学受験を始めたはずです。

家族が“おかしく”なりはじめたら、

「どうして中学受験を始めたんだっけ?」

この質問をみんなにして原点に立ち戻ってください。




では、また!
 

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