「過去問対策 いつから始めればいいの?」 9割が知らない中学受験の誤解⑪

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

中学受験カウンセラー野田英夫です。


さて、

今回も皆さんが陥りやすい中学受験の誤解について解説していきましょう。
 

「過去問はいつから始めればいいのか?」
 

今回はこのテーマについて、2週にわたってお話ししていきます。

多くの大手集団塾では、
「過去問解禁は小学6年の10月以降~」とされていますね。

しかし、このタイミングでは遅すぎます。
取り返しのつかないことになってしまいます。

そこで今週は、
「大手集団塾の言い分とその問題点」について、

そして来週は、
「過去問を効果的に活用する方法」

この二つについて2週にわけて解説いたします。

「10月以降解禁」の言い分とその問題点

大手集団塾が過去問を「10月解禁」とする理由として、
早い段階で過去問に取り組むと、
お子様が十分な得点を取れずに、
「自信を失ってしまう…」
という点を挙げています。

これは基礎力が不十分な段階で、
過去問を解いてしまうと、
思うように得点できず、
「自分には無理かもしれない」

という不安を抱いてしまうという理由からですね。
確かに一理あるかもしれません。

孫子の兵法の言葉に、


「彼を知り己を知れば、百戦殆うからず」というのがあります。
 

これは、敵(ここでは志望校)を知り、
己(自分の実力)を知れば、
百回戦っても失敗することはないということで、
つまり、成功の確率が高まるという意味です。


では、塾の言うことを真に受けて、
解禁後に初めて過去問に取り組むとどうなるでしょうか?

そこから志望校の出題傾向を把握し、
対策を講じるため、
明らかに時間が足りなくなります。

正直に10月から過去問を開始していたら、
4カ月しか時間がないわけです。
(1月入試ならたった3カ月)


第一志望校のみに限ってやるのであれば、
何とかなるかもしれませんが、
受験校は1校ではありませんよね?

入試が迫る中で対策期間が不十分だと、
得点も伸びず、
合格ラインに到達しないまま受験を迎えることになります。
これはとても危険な行動だといえます。

そもそも塾の言い分は、
早く過去問をやると「自信を失ってしまうから」でしたが、
では、10月以降だったら思うような得点が取れるのでしょうか?

そんなことはありません。
ほとんどの受験生が、
「4割」にも満たない得点となります。

受験の直前期に自信を失う方が、
はるかに深刻ではありませんか?

また、過去問を解いてはいけないと言っておきながら、


成績上位生には、
難関校の冠のついた「特別授業」があるではないですか?
(例:開成SS講座、NN桜蔭クラスなど)


彼らは志望校の問題演習をやっていますよね?
言っていることが矛盾しています。

そして、
もしお子様が個別指導塾に通っていて、
まだ過去問を使用していないのなら、
その塾は見直すべきです。

小6のこの時期に過去問を使わない塾は、
単に集団塾の補習を行っているだけで、
塾内での成績が上がれば合格できるという誤った考えでやっているのでしょう。

それでは志望校に合格できませんし、お金の無駄です。
塾のためにお金を払っているようなものです。

こうした塾は、
志望校合格に向けた塾とはいえないと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
来週は、「過去問を効果的に活用する方法」について解説します。

では、また!
 

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